写真とは

写真とは、一瞬一瞬、その光と陰が移りゆく中で、自分の感性にぴったりあった瞬間を写しとめるもの。
心ときめき、指もときめき、心地よい光に、風に酔いしれるもの。
永遠に時間が止まり、永遠に光が止まる。

切り取った光景は、とってもおしゃべり。
みんなの感性を様々に刺激する。
写真のおしゃべりを止め、自分の言葉にしようとすると、結構なエネルギーがいるものです。


写真とは、選択の積み重ね。自分と一緒にカメラがいて、自分の前に被写体がある。
自分と被写体とのアングル、自分と被写体との距離、レンズの焦点距離による距離感の強弱。
カメラに吸収される光の強さ、長さ。

いずれも選択し、或いは選択させられた結果としての映像。

自分が撮った映像、偶然撮ってしまった映像。
でもいつもまぎれもなく、その映像は、自分が選択したアングルを、距離...を、その映像を眺める他人に強いる。
強いれきれないのは、自分が映像を見るたびに思い出す追体験の全て。


質感、存在感、空気感、生活感...。写真が表すものには『感』が付く。
感は似たもの、二次的なもの、あくまでも現実、実物の対比として存在するもの。
マティエール、現実、実物を言葉を変えて存在するもの。
ぅぅ〜〜ん、ちょっと違うかな。現実、実物を遠くから眺めるものかな。現実、実物をとりまく世界に入り込んだ世界かな。

コピー、写真はコピー。目の前のものがあって初めて、写真は写る。
絵画は創り出すもの。どんどんどんどんプラス、プラスして創り出すもの。
写真は、引き算。どんどんどんどん切り離して、作り出すもの。
フレームから外し、光のラチチュードから離し、目立たなくするもの。

写真は片目の世界。
何故かレンズは一つ。それ故、非立体なのが、写真の特性。
光と、流れによって、立体視するのが、Vividな写真。

二次元になってしまう描写を、どうしたら奥行きのある立体的な三次元にできるのか。
ひいては時間軸も加えて四次元にできるのか。

写真は手元における本物。
彼の写真、彼女の写真、定期入れにしのばせれば、いつも一緒の気分。
昔のブロマイド。美しい女優を自分のものにし、逞しい男優を自分のものにする。
そういえば子供の頃には、写真を撮られると精気が減るとよく言われたもの。
三人の真中が一番危ないと。
写真はCOPY。でも本物そっくりのCOPY。やはりそこには精気が宿る。

シャッター押せば、自分のものになっちゃう外界、自分のものにしてしまった世界。
写真は魔物。風、空気、陽、陰の世界。


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